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第213回目のラジオ配信。「香川の冬の室温」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
かっけいの円龍寺ラジオ
これは香川県丸亀市にいるお坊さん、私かっけいが、短いおしゃべりをする音声配信です。
2023年もあと二週間ほどで終わりますね。
一年がたつのもあっという間に感じます。
私のとこのお寺、円龍寺では先週の12月12日に報恩講法要があったんですが、たまたまありがたいことに温度が20度ぐらいあって、季節外れと思うぐらい暖かい一日でした。
本堂には、本堂用の畳40畳から50畳分の巨大なストーブ二つと、丸いお座敷用のストーブをつけていたんですけど、今年は汗をかくくらいで、本当に助かりました。
毎年この時期になると、お寺は寒い寒いと言われるんですが、今年は暖かくお参りしやすかったです。
それが、今年は暖かいなあと思えば、今度は急に寒くなって、この2・3日前から冷たい北風が強く吹いて、最高気温が8度や9度と、一気に寒くなっています。
私のところのお寺は、もう法要は終わりましたが、まだこれから年末にかけて法要予定のお寺もあるので、そういうお寺は、この寒い中たいへんだなあと心配します。
ただそうは言っても、毎年これぐらい、最高気温が10℃前後ぐらいが香川の例年の12月の中頃、終わりごろの寒さだったと思うので、そういえば、毎年こんな寒さで過ごしていたんだなあとも思っています。
今年は10℃以上一気に寒くなったので、えらい寒いなあと体がびっくりしたんでしょうね。
それで言うと、ちょうど一年ほど前の昨年冬一月に、こんなニュースがありました。
香川県の家は、冬、日本で一番寒いというニュースです。
これは、冬の時期に、家にいる時・在宅時で、リビングの平均室温を国土交通省 スマートウェルネス住宅等推進調査事業が調査分析したものです。
それによると、冬、在宅時のリビングの平均室温は、香川県がダントツで寒く、平均13.1度だったそうです。唯一の室温14度以下の県です。
それで意外に思うかもしれないのが、一番暖かいのは北海道で、平均室温は19.8度でした。
全体的に、寒い地域の方が暖かくて、暖かい地域の方が部屋の中が寒いように見えます。
こんな結果になる理由として、香川県の家は断熱性、気密性が弱いことが理由として挙げられていました。
たしかに、香川の家が冬寒いのは、断熱性・気密性が乏しいというのもあるでしょうが、私は、それだけじゃなくて、香川の人の気質にもその部屋が寒いという理由があるような気がします。
まあ、まるで私が香川県の人の気質を知っているかのように話すのもおかしな話ですので、これは私自身の性格だと思っていただいてもいいと思います。
私が思うに、香川の人は、真面目であり、ケチなんだと思います。それでいて、割と物事を現実的・客観的に見ていると思います。
香川の家が冬寒いのは、単純に暖房器具をつけないからではないでしょうか。断熱、気密云々の前に。
でなんで暖房をつけないかというと、一つには香川県は割とあったかくて、つけなくても耐えようと思えば耐えられる寒さだからです。
香川県は温暖な気候で、冬の寒さよりかは夏の暑さ、台風に備えた家の作りになっているんだと思います。
冬はいくら寒い寒いといっても、いろんな対処法があります。
例えば、服をたくさん着込むといったことです。
私の場合、家で過ごす場合、部屋着プラスどてらを着こんで、さらにはんてんを着こみます。
どてらにはんてんを着たら、たくさん重ね着したら、だいたいの防寒着対策はできてると私は思っています。
それに香川の人は効率的にというか倹約家、よく言えば質素質実を好むと思います。悪そうに言えばケチです。
いろんな部屋、廊下に電気をつけっぱなしにしたりせず、今いる部屋一部屋だけを使うようにしていると思います。
水も使いすぎない、電気もガスもと、香川県の人は必要以上に使わないという気質があると思います。
それでいて、香川の人は真面目というか、現実的な面をもっていると思います。
なんぼ香川が暖かいところといっても、冬の一月は平均気温5度くらいと、他の地域とそんなに変わらず、けっこう寒く、毎年冬がやってくると、今年も寒くなりましたね~と言い合います。
でもお坊さんの私がお参りをして話を聞くと、ほぼ全員がきまってこう言います。
昔よりもずっと暖かいなあと言います。
今の方があたたかくて過ごしやすいとのことです。
話を聞くと、昔はため池に氷が張って、その上を歩いたり、軒先につららができていたそうです。
でも私も30年以上生きていますが、ため池に氷が張って歩くことも、つららができている様子も見たことがありません。
そんな風に寒かった昔のことを思えば、今の冬は断然暖かく、これで寒い・耐えられへんと言えば、昔の人に笑われるような気がします。
体温よりも高い夏の暑さは、エアコンをつけなければ耐えられず、いのちの危険にさらされますが、冬の寒さは別ですよね。
たくさん着込んで、自分のいるところだけ暖かくすれば、なんとかなります。
それこそ、例えばですが、私も今自分のいる部屋の暖房の設定温度は、16度から17度にしています。
これでも外の温度と比べたらずっと暖かいですし、着こめば、十分耐えられる温度です。
もう少し寒くなる一月になれば、15度から16度くらいに暖房器具を設定しようと思っています。
他にも、私は夜寝る時は、布団をとにかくたくさん掛けて寝ます。
重たいのが大好きで、重たくすれば寒さも気になりにくいです。
寝る前に着ていた部屋着やどてらはんてんも布団の上にかぶせて、ちょっとでも暖かくして寝ます。頭からかぶることもします。
ちょっと話が変な方向にそれましたが、言いたいことは、香川県の冬の家の室温は全国でもダントツに寒いということらしいですけども、別に香川の人からしたら、昔と比べたらずっと暖かいですし、全然耐えられない寒さと思っていないっていうことです。
もちろん今と昔では、特に若い世代の中では価値観が大きく変わっているかもしれませんが、お坊さんの私がお参りしていても、昔よりあったかいなあという声ばかりが聞こえてきますので、香川が日本一寒いといわれても、香川に住んでいる人たちは、そうピンとこないんじゃないのかなあと思います。
以上で、今回の香川の冬の寒さの話、家の室温が日本一寒いといわれているお話をしました。
それと最後にもうちょっとだけ余談をします。
香川県は冬の在宅時の室温が日本一寒いという調査分析結果がでています。
それと合わせて、香川県は日本で一番、お風呂場で心肺停止になる人が多い県となっています。
逆に日本で一番冬室温が高い北海道と、冬も20度ほどと暖かい沖縄県は、お風呂場での心肺停止が特に少ないところとなっています。
香川の人は、自分のいる部屋以上に暖房器具をつけたりしないんで、脱衣所・洗面所・浴室がとくに寒くなっているんだと思います。
実際、円龍寺のご門徒さんでも、この12月や1月にお風呂場で亡くなった人がここ数年でも何名かいます。
香川の人は冬は寒いのは当たり前、これぐらいなら十分耐えられると、暖房器具をあまりつけない人も多いと思いますが、服を脱ぐとき、お風呂に入る前とかは十分温度差に気をつけた方がよろしいと思います。
どうぞ皆様お気を付けくださいませ。
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