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第201回目のラジオ配信。「写真」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
かっけいの円龍寺ラジオ
これは香川県丸亀市にいる浄土真宗のお坊さん、私かっけいが、短いおしゃべりをするラジオです。
201回目の今回は、亡くなられた方、故人のお写真の置き場所についてお話ししていきます。
つい先日、お祥月参りに行くと、お仏壇のお飾りについて質問を受けました。
その家にはこれまでも、たびたび、葬儀や中陰のお勤め、年忌法事と続けてお参りをしているので、お仏壇のお飾りはよく分かっているものだと思っていました。
実際、お仏壇のお飾りはキレイに整っていて、仏具の位置やお花、お仏飯、お供え物と特におかしなところは、ありませんでした。
お飾りは十分足りてますよと私が答えますと、どうやら亡くなった人の写真を、お仏壇のどこに置いたらいいのかよく分からないとのことでした。
それで改めてお仏壇をみますと、亡くなった人を写したお写真とお位牌が、お仏壇の真ん中にある香炉を挟むようにして置かれていました。
家の人によると、真ん中に置かれている香炉をお仏壇の外に出して、お写真とお位牌をもっと中央に寄せた方がいいですかとも質問されてきました。
いえいえ、お写真やお位牌は他の仏具を押しやってまで、お仏壇の真ん中に置く必要はありません。
お仏壇は仏様をまつる壇・棚であって、仏様が中心となって安置される場所です。
なので、故人のお写真やお位牌というのは、無理に真ん中に置く必要はありません。
このお祥月参りでは、お写真の置き場所について、他にもいろいろ質問を受けたので、ここでは、そのポイントをいくつか話していきますね。
さてそもそもの話ですが、浄土真宗の場合、実はお仏壇の中にお写真を置くことはあまりおすすめされません。
皆様当たり前のように、故人の小さなお写真をお仏壇の中に入れたりしますが、浄土真宗ではおすすめしてません。
理由は、先ほども言いましたように、お仏壇の中心は仏様であり、浄土真宗ではご本尊の阿弥陀様を安置するところです。
そして拝む対象は、阿弥陀様です。
亡くなられた方の位牌や写真に対して拝んでいる人も多いかもしれませんが、浄土真宗では、亡き人は、お参りをしているこの私が仏様にであっていく有難いご縁というわけです。
なので、例えば、浄土真宗の葬儀では、ご本尊の阿弥陀様を隠すように、仏様の真ん前に亡くなられた人の写真は置かないように心がけます。
また葬儀、中陰のときも、お仏壇の中に故人の写真は置かずに、お仏壇の近くに別の棚を設けて、そこにお写真やお位牌、お骨をお飾りするようにします。
本来の考えでは、浄土真宗ではお仏壇の中にお写真を置くのは、好ましくないことを覚えておいてください。
ただそうは言いましても、今回のお祥月参りに行くと、故人の写真と位牌が仏壇の真ん中付近に置かれていたように、どうしても皆様、お仏壇のもっとも目のつきやすい場所に亡くなった人の写真や位牌を置きたくなるようです。
やっぱり心情的にはそうなるもんだと思います。
なので私は、その人のお参りのとき、ご命日のときは、真ん中近くに置いてもいいですよと言います。
それでご命日でない時、その亡くなった方のお参りでないときは、仏壇の正面を避けて、お仏壇の中、左右どちらかによけて置くようにして下さいと言います。
それと大切なこととして、お仏壇の中にもしお写真を置くときですが、真ん中の位置であっても、左右に避けた位置であっても、一番上の壇には絶対に置かないでください。
お仏壇の一番上の段は仏様を安置する場所なので、仏様のお姿が隠れないようにします。
なので写真や位牌は、お仏壇の一番上を避けて、そこから下の段以降に置いてください。
仏壇の一番下の段でも、もちろんいいです。
さてそれと、意外と私もお答えに困るのが、大きな写真の置き場所です。
大きな写真はお仏壇の中に入れるのはそもそもできないですし、かといって、仏教、浄土真宗では、大きな写真は部屋のここに置きなさいよと決めていません。
なので、家の人が置いておきたいところに置いていただくのが一番だと思います。
ご門徒さんの家を見ますと、お仏壇を置いている部屋、お座敷の高い位置、例えば長押のところに故人の大きな写真が並べられていることが多いように私は感じます。
なので、他の家にならって、大きなお写真は部屋の高い位置、長押の位置に置かれたらいいのではないかと思います。
やっぱり亡くなられた方は自分につながる直接のご先祖であり、その人を讃える、尊敬、敬いの気持ちも込めて、足元付近に置くよりかは、目線よりも高い位置にお飾りするのが一般的なんだと思います。
ただ繰り返し繰り返しの話になりますが、浄土真宗では、亡くなった人の姿を拝むのではなくて、亡くなった人をご縁に、仏様、阿弥陀様を拝んでいます。
なので、お仏壇の真上といった場所、仏様よりも目立つような場所にお写真を置くのは避けてくださいませ。
それと補足ですが、お写真は必ずしも目に見える位置に置いておく必要はありませんよ。
小さい写真、大きい写真は、片付けておいて大丈夫です。写真をいつからいつまでの期間は飾らないとダメと決まっているものではありません。
葬儀や中陰のときは、お写真をお飾りすることは多いですが、49日・満中陰の法要が終わると、お写真を片付けられる家もそれなりにあります。
額から外して、思い出のアルバムに納めて、故人を偲んでいただけたらOKです。
年忌の法事やお祥月命日だからといって、無理に見える位置、お仏壇の中に飾る必要はないです。
以上が、お写真の置き場のポイントとなります。
さいごに、短くポイントをまとめて今日のお話を終えますね。
- 写真の置き場所はお仏壇の中はあまり好ましくありません。
- ご命日、お祥月のお参りのときは真ん中近くに移動しても構いません。
- そうでないときは左右どちらかによけて置きます。
- 一番上の段は仏様の場所だから置きません。
- 大きな写真は「長押」といった高い位置に飾る家が多いです。
- その人を讃える・敬うということで、目線より上の位置に飾っているのでしょう。
- それと写真は片付けても問題ないです。
- 思い出のアルバムに納めていただけたらと思います。
- 見える位置に飾り続ける必要はありません。
以上で、今回のお話を終えます。
浄土真宗では、お仏壇の中心は仏様です。亡き人は私が仏様に出あうご縁なので、写真や位牌というのは、他の仏具、お飾りを押しのけてまで、目立つ位置に置く必要はありません。
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