お坊さんに出す飲み物.ラジオ#53

第53回目のラジオ配信。「飲み物」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

ラジオテーマ「飲み物」の内容まとめ
  • 熱いお茶・緑茶がお坊さんの飲み物というのは思い込み
  • コーヒーや紅茶などが好きなお坊さんもたくさんいる
  • 出された飲み物をほとんど飲まないお坊さんもいる
  • 私は読経前・読経中・読経後の3回は飲みたい
  • 飲み物の種類や出すタイミングは、お参りに来るお坊さんに実際に聞いてほしい

お坊さんが家にお参りに来ますと、まず一番に玄関で挨拶をしますよね。

続いて仏間に、お仏壇の前に案内されて読経の準備をするのですが、そこで家の人から「まあ一息ついてください」と飲み物を出されます。私の場合は。

お坊さんによっては出された飲み物にほとんど口をつけない人もいるそうなのですが、私は出されたものを何でもありがたく飲むタイプなので、出されたら出されただけ飲みます。

だから私の寺のご門徒さんは「圓龍さんはよく飲みますね。読経しているときにも飲んでくれるお坊さんは、あんまりいないんじゃないのですか?」と言われます。

さあ~どうなんでしょうかね。

他のお坊さんがお参り先でどんな風に飲み物をいただいているのか、詳しくは知らないのですが、おそらく一般的には、読経の後、お経を読み終えてちょっとしたお話をする時に飲むお坊さんが多いのではないでしょうか。

でも私の場合は出されたらいつでも飲むので、読経の前、読経の合間、読経の後と3度は出してほしいなあと思ってます。特に読経中は大きな声でお勤めするので、のどをうるおさないと声が出なくなってしまいます。なので読経しているときも、右か左に飲み物をおいといて欲しいと思ってます。

これはお坊さんによって違うので、お参りに来るお坊さんに「いつ飲み物をお出ししましょうか」と尋ねていただけたら幸いです。

続いて出す飲み物の種類です。

私がお参りにうかがいはじめるようになった最初の頃は、多くの家で「熱いホットなお茶・緑茶」でした。

で私はおしゃべりをよくする人なので、しだいに打ち解けて「どんな飲み物を出したらいいのですか」、「何か好きな飲み物はありますか」の話題になるんですね。

緑茶ももちろん私好きですが、コーヒーや紅茶も大好きです。コーヒーは一日に3・4回飲むくらい好きです。

そんなことを言いますと「でもお坊さんにはお茶を出すもんじゃないの」と質問されます。

私お坊さんですけど「お坊さんにはお茶を出さないといけないルールがある」なんて知りません。

それこそ私の偏見ですが、お坊さんってふだんからご門徒さんのお参り先でお茶ばっかり飲んでいるから、お茶に飽きているんじゃないかなって思ってます。

実際、お坊さん同士のおつまり・集会の時、お茶を飲まないお坊さんは結構いますが、コーヒーや紅茶になったらほとんどのお坊さんが飲んでくれる印象です。

「お坊さんにはお茶を出さないとダメ」って言うのは思い込みで、実際にはお坊さんはそれぞれに好みがあるから、出されてうれしい飲み物もそれぞれにあると思います。

そんな訳で私がお茶ももちろん好きですが、コーヒーや紅茶、他なんでも好きですよって聞かれたところで言っていますと、最近はお茶以外の飲み物も非常に多くなりました。

もともと飲み物の質問をして下さる家というのは、ちょっとでもよろこんで貰えるものをという気遣いができる人だと思うので、読経中いい香りがするなあっと思ってたら、コーヒーをドリップで入れてくださっていたり、家で取れた柚子で柚子蜂蜜ジュースをつくりましたとか、手作りの甘酒ですとか、いろんな工夫をしてくださいます。

もちろん皆さんがみなさんそんな手間のかかることをする必要はないですよ。

「ああお坊さんは熱いお茶。緑茶意外も飲むんだなあ」ということを知っていただけたら幸いです。

それこそ私の寺の家族はみんなコーヒーが好きなので、今は亡くなった祖母もお参り先でコーヒーや昆布茶をいつも美味しく飲んでいたそうです。

なかなか私の祖母が昆布茶が好きだったと知っているご門徒さんは少なかったようで、私は今もそこの家にお参りすると前の坊守さんが好きだった飲み物ですと、昆布茶を飲むことになっています。

でここでひとつだけ補足すると、お坊さんに出す飲み物はお茶が基本だと思ってください。

さっきまで、飲み物は何でもいいと言ってましたが、基本はお茶だと思います。

私もこの前のお盆参りにはたくさんの飲み物をいただきました。

  • コーヒーや紅茶
  • 赤しそジュース
  • カルピス
  • 梅ジュース
  • 柚子蜂蜜ジュース
  • 甘酒
  • レモネード
  • ゴーヤージュース

いろんな飲み物をいただきましたが、できればお茶以外のこれらの飲み物は読経の後に出してほしいです。

さっきは読経前、読経中、読経後と3度と言っていたのに、お茶以外は読経の後に限定するなんてわがままだなあと思うでしょう。

私もわがままだと思います。

でもですね。お茶以外の飲み物を飲むと、お経を読んでいると唾が口のなかでどんどん溜まって、おつとめにならないんです。ほんとですよ。

お茶・緑茶を飲むと口の中がサッパリして潤って読経しやすくなるんですが、コーヒーや紅茶やジュースのように味のあって甘かったり酸っぱかったり苦かったりする飲み物は、唾がたまってしまいます。

私むか~しに歯科検診したときに唾液の量をしらべる機会があったんですが、標準よりも多く唾がでるらしいです。

私は大きな声でお経を読むので、つばが口にたまると声を出せなくなります。

ですので、お参りに来たときと読経中にはお茶をだしていただき、コーヒーや紅茶などの飲み物は、さいご読経の後に出していただければなあと思います。

いろいろ注文の多いお坊さんで、やっかいな人だなあと思った人もいると思います。

今回のラジオテーマで伝えたかったことは3つ

  1. お坊さんはお茶・緑茶以外も飲むこと
  2. コーヒーや紅茶とかがだされたら嬉しいお坊さんもいること
  3. 飲み物を出すタイミングはお坊さんによって違うけど、私は来たときと読経中と読経後の3回飲むこと

それと補足で。唾がでないように、読経前と読経中はお茶がありがたいことの4つです。

飲み物の好みや出されるタイミングはお坊さんによって違うので、そこはお参りにくるお坊さんに実際に聞いてみて確認して下さい。

お坊さんもご門徒の人とお話をしたいと思うので、まずは飲み物の話題からコミュニケーションを広げていってほしいなあと思います。

いきなりは聞きづらいなあと思う場合は、読経の終わったお坊さんに「私の好きな飲み物です」や「手作りしたので飲んでいただけますか」と差し出してみたらどうでしょうか。

「わざわざご用意してくださったんだあ」と、とっても喜ばれると思いますよ。

お茶菓子はどうする
出すタイミングは?
  • 法事なら途中休憩や法事の終わりに出す
  • 祥月参りやお盆など、一座のお参りの時は、読経の後に
  • 一番最初にお菓子を出すと、口の中に唾がたまり、おつとめしにくくなる
お茶菓子の種類は?
  • お茶菓子の種類は和菓子(まんじゅう・ようかん)に限らない
  • ケーキやクッキーといった洋菓子もOK
  • もちろん手作りのお菓子でもOK。私は嬉しく感じる
  • 季節の果物もよろこばれる
  • お盆や報恩講のように、お坊さんが何軒も続けてお参りする時期は、個包装のお菓子が持ち帰りできて助かる

お坊さんにお茶を出すときは、お菓子も合わせて出すこともあるのではないでしょうか。

お参りにうかがったときに、お茶と一緒に出される家もありますが、これは止めた方がいいと思います。理由はお菓子を食べると、読経中に唾液が口の中にたまり、おつとめにならないからです。

  • 祥月参りやお盆参りのように、一度の読経で終わる一座経なら、読経の後に。
  • 年忌法事のように、途中休憩があって1時間や2時間と長いなら、読経の合間や法事の最後に。

お茶菓子は読経が終わった後」と覚えていただければ。

お茶菓子の種類は、「お坊さん=和菓子(まんじゅうやようかん)」をイメージされてる家も多いと思いますが、これも思い込みです。

お坊さんはケーキやクッキーといった洋菓子も大好きです。チョコレートも大好きです。

お参りする家によっては、毎回新しい洋菓子を手作りして下さる人もいます。

お茶菓子は和菓子でないと駄目ということはなく、来られた相手(ここではお坊さん)に喜んでもらえるような食べものを選んでいただけば何でもOKです。

もちろん季節の果物も大変喜ばれます。

  • 冬:イチゴや柑橘
  • 春:サクランボやビワ
  • 夏:スイカや桃
  • 秋:ブドウやイチジク

ほんの一例ですが、季節の果物はたくさんありますね。果物は甘くのども潤うので喜ばれます。

自分が好きなもの・相手が喜んでくれるだろうというお菓子をご用意して下れば、それが最高のお茶菓子になると思います。

ひとつ補足すると、お茶に合わせるお菓子は「和菓子・洋菓子・手作り・果物」となんでもいいのですが、時には「個包装」されたお菓子が喜ばれます。

お盆や報恩講など、お坊さんが家々を何軒も続けてお参りする時期は、その場でお菓子を食べきれず持ち帰ることもあります。そんな時は、個包装できるお菓子が助かります。

お茶菓子の種類はなんでもOK」と覚えていただければ。

飲み物の温度は

「熱いお茶をお坊さんに出す」とイメージする人もいると思います。でもお寿司屋じゃないんだから、お茶は熱々じゃなくてOKですよ。

  • 夏はさっと体を冷やす、冷たいお茶
  • 冬は体を温める、温かいお茶

飲み物の温度はお任せしますが、お参りに来た人が喜ぶ温度を考えて出していただけたら幸いです。(ラジオでも言いましたが、飲み物はお茶にこだわる必要はなく、ジュースだったら冷たいまま出しますよね。臨機応変にお願いします)

飲み物の温度を悩まれる時は、その時お参りに来たお坊さんに「熱いのにしますか、冷たいのにしますか?」と聞いて下されば助かります。

お坊さんと長くお話をされたい場合は、熱々のお茶でもOK。ゆっくり飲みながらお話しましょう。

またお茶は熱い温度の方が美味しいからと、おもてなしにこだわりのある人は、もちろん熱い温度で出してくださいませ。

飲み物に関する内部記事
  1. お参りの時に出てくるとうれしい飲み物
  2. 浄土真宗のお水のお供えの仕方
  3. お坊さんにお茶を出すタイミング
  4. ワインと仏様.ラジオ20

1つ目は、私がお参りの時に出てくるとうれしい飲み物を紹介しています。どんな飲み物も好きですが、リンク先では「コーヒー・紅茶・ほうじ茶」の3つを挙げています。でも正直なところ、私は何をご用意してくださっても嬉しいのでありがたくいただきます。

2つ目は、お坊さんではなくて仏さまに差し出す飲み物「水」について紹介しました。

浄土真宗では茶湯器に水をいれて仏前に水を供えません。ではどのようにしてお水を仏さまに供えているのでしょうか。それを紹介しました。またこの内容は「浄土真宗がお墓や仏壇に水を供えない理由」と密接につながっているので、よろしければこちらも読んでください。

3つ目は、今回のラジオ内容とよく似ています。お茶を出すタイミングは、お参りに来たことをねぎらう最初と、読経が終わった後の2回をおすすめしています。でも私はやっぱり読経中にも欲しいですね。

キリスト教ではパンとワインが出てきますよね。でも仏教でもワインと言いますか、ぶどう酒がお経文の中で登場します。4つ目のラジオ20ではそんな内容をしゃべっています。

「円龍寺かっけいラジオ」では、番組へのメッセージを募集しています。ご感想や取りあげてほしいテーマなどもお寄せ下さい。



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